トップページ 犯行手口 加害組織 被害対策 関連事件簿

特集記事 更新情報 リンク集 問い合わせ サイトマップ

事件ファイル03:「NTTドコモ携帯通話記録盗難事件」

テレビCMやバラエティー番組の再現ドラマなどで活躍していたタレントの福原由紀子さんを始め、カルト宗教S会と対立関係にある宗教団体「日蓮正宗」法華講幹部の佐藤せい子さん、同じく反S会ジャーナリストの乙骨正生氏らが、カルトS会から組織的に携帯電話の通話記録を盗まれたり、盗聴、盗撮、尾行などの嫌がらせ被害を受けた「集団ストーカー」事件。この事件で逮捕されたS会信者は以下の3名。Y村英二(28)、元ドコモ・システムズ社員、S大学卒、カルトS会男子部活動家。T島稔(42)、元警視庁巡査部長、S大学・剣道部監督、カルトS会八王子地域・男子部主任部長。N津丈伸(43)、S大学・学生課副課長、同大学同窓会「創友会」評議員、カルトS会全国副青年部長兼、「広宣部」(教団批判者の調査・攻撃を専門とする部署)幹部。この内、ドコモシステムズ元社員のY村被告が社内端末機器を不正操作して、福原さんら数百人分の通話記録を盗み出す役割を担当していた。別件の通話記録盗み出し事件を警察が捜査していた過程から、この事件の全貌が明るみに出る事となった。それはT島被告が交際女性の浮気を疑い、友人男性の携帯通話記録を不正に探ったとされる事件だった。T島被告から依頼を受けたN津被告からの指示で、やはりY村被告が通話記録を盗み出しを行っていた。

被害者の一人であるタレントの福原さんも元S会信者だったが、犯人達との面識は一切無かったという。福原さんは大学時代、S会信者の異母兄から勧められて日蓮正宗・カルトS会に入信。(当時のカルトS会は、まだ日蓮正宗門下の一派だった。)1985年にはS大学教授の男性と結婚もしていたが、90年代に入ってからカルトS会が日蓮正宗と激しく敵対するようになり、日蓮正宗の教えを信奉していた福原さんは次第に教団への不信感を募らせてゆく。日蓮正宗の総本山・大石寺への参拝妨害、カルトS会独自の偽本尊擁立、これらの問題に対して疑念を主張すると周囲のS会信者らから激しく批判されるなどの不遇が相次ぎ、ついに失望感が限界に達した福原さんは、1993年にカルトS会へ脱会届を提出。この脱会トラブルが原因となり、同年11月には夫と離婚。現在は改宗して日蓮正宗の法華講に所属している。この脱会と離婚を経た時期を境に、福原さんはカルトS会から組織ぐるみによる様々な嫌がらせ・ストーカー被害を受ける様になった。以下、その被害内容である。

福原さんはタレント業で働く傍ら、副業として自宅で英会話教室を開いていたが、その生徒の保護者らに対し、教団婦人部の女性信者が「福原さんは頭がおかしい。近寄らない方が良い。」などと誹謗中傷デマを流していた。また、自宅にS会信者らが入れ代わり立ち代わり突然押し掛けて来て、「I田先生(=教祖)の御世話になりながら、どうして辞めたのか!?」などと執拗に福原さんを非難した。まるで吊し上げのように弾劾され続けたせいで、福原さんはストレスから体調を崩してしまったという。2002年3月8日、福原さんは本件絡みの用事でジャーナリストの乙骨正生氏と会う約束をしていた。待ち合わせ場所の新宿駅東口で乙骨氏と落ち合い、用事を済ませようとしていたところ突然、背後から白い帽子を被った不審な男2人がカメラでフラッシュを焚きながら福原さん達の写真をバシャバシャと撮り始めた。男達は、その後も福原さんをしつこく尾行し続けた。福原さんが不安に感じて後方を振り返る度、男達は携帯で何者かと喋りながら盗撮行為を繰り返したという。それはとても異常で恐ろしい光景だったそうだ。その後、別れた前夫から突然電話が掛って来て、「乙骨と会ってるって聞いてるんだけど、あんなブラックジャーナリストには関わるな!とんでもない奴だ!」などと注意を受けた。乙骨氏との連絡は携帯電話だけでしか遣り取りしておらず、当事者以外に会う約束をしていた事など知る者はいなかったはずなのに、何故、前夫がこの件を把握しているのか…?福原さんは不思議でならなかったという。

2002年9月頃、福原さんの携帯電話に突然、警視庁深川署の刑事から電話が掛かって来た。刑事の話によると、「捜査過程で福原さんが所有している携帯電話2台の通話記録が盗まれていた疑惑が浮上しました。」という事だった。この頃、警察はカルトS会幹部による携帯通話記録盗み出し事件を捜査中だった。さらに刑事から「最近、携帯料金のプラン変更や、料金トラブルでドコモに連絡されましたか?」と質問されたが、当の福原さんは全く身に憶えが無かった。携帯電話2台の内、一つは娘が使用していたが、やはりドコモに問い合わせ連絡した事実は無いという。この件で福原さん母娘が深川署を訪ねたところ、刑事から開口一番、こう言った。「お手持ちの携帯電話2台の料金明細システムに不正アクセスされています。」それにより通話開始時刻、通話時間、通話先の電話番号などが調べられるのだという。業務上、料金プラン変更やトラブル発生時のクレーム内容確認といった目的でアクセスするのは問題無いが、そういった正統な理由無しに料金明細システムにアクセスするのは違法行為だった。「福原さんの場合は、後者に該当します。」と刑事は語った。さらに「3月7日に不正アクセスされて個人情報を盗まれていますが、何か心当たりはありませんか?」と問われた。その日は、乙骨氏と会う約束をしていた前の日だったという事実に気付いて、福原さんはハッとなった。携帯電話の通話記録が盗まれ、さらに通話の盗聴もされていたのだとしたら、乙骨氏と会った日に起きた不審な出来事も全て説明が付く。その話を打ち明けたところ刑事は俄然興味を示し、福原さんの供述を聞きながら自らパソコンで調書を作成し始めた。事情聴取は午後2時から始まり、終わったのは午後6時半頃だったという。帰り際、福原さんは刑事から「捜査に支障が出ると困るので、この件については誰にも言わないように。」と固く口止めされた。ところが、その後、警視庁は何故かいつまで経っても事件を立件しようとせず、捜査状況について刑事に問い合わせても「調査していますよ」の一言であしらわれるばかりだった。

携帯電話の顧客データに不正アクセスされていた被害者は福原さんだけではなく、ジャーナリストの乙骨氏や、日蓮正宗・信徒団体幹部の佐藤せい子さんらも含まれていた。特に佐藤さんの方は今までカルトS会を厳しく批判して来た立場なだけに、福原さん以上に執拗な組織的嫌がらせ被害を受けていたという。犯人は不詳だが、自宅から大事な資料データが入ったフロッピーディスクを盗まれたり、所属団体関係者と電話で話した内容を怪文書に書かれてバラ撒かれたりした。佐藤さんも、福原さんと同じく警察から「不正アクセスされている疑いがある」という連絡を受けて、深川署に出向いている。ところが、佐藤さんの場合は刑事事件として立件されなかった。担当刑事によると、「ドコモには加入者の住所・氏名などを扱う顧客システムと、通話月日・時刻などを扱う料金明細システムとがあり、佐藤さんが不正アクセスされたのは前者のケースに該当する為、法律上は罪に問えない」のだという。結局、取り調べ調書すら作成されなかった。その後、福原さんらはこのまま事件を風化させてはいけないと「真相究明の会」を設立。1万数千人分もの署名を集めて2004年2月に検察庁へ提出した。同年10月13日、東京地検特捜部は福原さんに対する通話記録盗み出し容疑でY村被告を再逮捕。その日の夕刻には福原さんも呼び出し要請を受けて検察庁を訪れている。その移動中、またもやネクタイ姿の不審な男から携帯カメラで撮影されるストーカー被害を受けたという。後に本事件の裁判が開かれたが、被告側の弁護に当たったのはF島啓充、M村光晃、T地伸明ら3人のカルトS会副会長を含む、なんと総勢11人もの巨大弁護士団だった。この弁護団は公判で「本事件はカルトS会とは一切無関係であり、一部信者による私的で偶発的な一過性の犯行である。」という主張を一貫して展開。結果、裁判所は「T島被告の交際女性の知り合いに対する通話記録不正アクセス」のみを違法行為だと認め、3人の被告にそれぞれ懲役10ヶ月・執行猶予3年という極軽い有罪判決が下された。カルトS会の組織的関与については、裁判では全く追及されなかった。

しかし、この判決には大きな矛盾点があった。そもそも通話記録を盗まれた福原さんら被害者側と、Y村被告らとの間には個人的な接点どころか、面識すらも一切無い。Y村被告らの個人的な犯行だとするならば、福原さんらの携帯通話記録に不正アクセスする動機や理由が無いはずだ。なのに福原さんと乙骨氏の密会約束が何故か外部に漏洩し、S会信者と思しき不審者らから尾行・盗撮などのストーカー行為を受けた。しかも、N津被告に至っては、カルトS会と対立関係にある人物・団体を探る専門諜報部隊「広宣部」の幹部だという情報もある。これらの事実から、本事件がカルトS会主動による「集団ストーカー」犯行であった事は明白であり、判決は極めて不当かつ矛盾に満ちたものだったと言うべきだろう。それでは何故、カルトS会は福原さんを組織的に付け狙ったのか?それは、福原さんが単なる一脱会者ではなく、カルトS会の“教祖一族と近しい関係者”だったからだとも言われている。実は福原さんは過去に、教祖の三男一家との交流関係があった。前夫との結婚も、そうした人間関係のコネによるものだった。本事件のみならず、同じくカルトS会絡みの犯罪事件だった「ヤフーBB恐喝未遂事件」に対する警察・司法の及び腰な対応ぶりも、実に酷い有り様だった。「ヤフーBB事件」も本事件と同様、カルトS会信者の犯人らが顧客個人データ460万人分を盗み出して、それを元に企業を恐喝するという個人情報漏洩事件だった。この事件に於いて、恐喝未遂容疑で立件されたのはY浅輝昭(元S新聞職員、カルトS会函館組織の副圏長)被告だったが、その裏にもう一人、起訴保留処分にされた主犯格がいた。事件の主犯格だったT岡誠治容疑者は、カルトS会の全国副男子部長で、「S班」の全国委員長を歴任した人物である。「S班」とは、教団の行事運営などを担当する男子部の訓練組織だ。教団施設の警備を担当したり、「集団ストーカー」実行部隊として動員されているといった噂もある。T岡容疑者は「日本共産党幹部・宮本顕治委員長宅盗聴事件」でも、その実行犯役を務めていた人物だった。これはカルトS会主動による組織的な盗聴・ストーカー犯行であったという事実が、裁判でも認定されている事件だ。

※参考記事:NTTドコモ事件―ジャーナリストの乙骨正生氏も被害者だった
http://www.forum21.jp/2004/11/post_8.htm

※参考記事:特集・新展開!―ドコモ通信記録窃盗事件はカルトS会の組織的犯罪か
http://www.forum21.jp/contents/03-5-15.html

※参考記事:[急展開]NTTドコモ事件―S大学グループの狙いはジャーナリストらの盗聴だった!
http://www.asyura2.com/0411/nihon15/msg/350.html

※参考記事:NTTドコモ事件―タレント福原由紀子さん「私のカルトS会脱会と信者らの犯罪」
http://blog.goo.ne.jp/c-flows/e/05bc07dc7e027be2b6c45f0fb772713d/

※参考記事:NTTドコモ事件―S大学グループが盗み出した、被害者の携帯通話記録の使われ方
http://blog.goo.ne.jp/c-flows/e/3b69543305bfef6e4b51550d232255b6/

PAGE TOP inserted by FC2 system